日本読書療法学会

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読書療法とは


  読書を療法的に用いることは、古代から行われてきました。古代ギリシャの図書館のドアには、「魂の癒しの場所」と記されていたといいます。読書療法(ビブリオセラピー)として注目されるようになったのは、1930年代のアメリカのメニンガー(メニンジャー)兄弟(William C. Menninger、Karl A. Menninger)の研究がきっかけでした。兄のカール・メニンガーの著書『The Human Mind(人間の心)』がメンタルヘルスの問題に対応する手段として読者に活用されていることに着目し、読書が与える影響を研究、発表したのです。そして軽度のノイローゼやアルコール中毒等のメンタルヘルス上の問題を抱えた人たちへの支援ツールとして読書療法が提唱され、広範に活用されるようになりました。カウンセラーや心理学者、精神科医、教育者によって利用されるほか、近年はソーシャルワーカーにも利用が拡大しています。

  読書療法の形式は様々で、ひとりで本を読み進めていくこともあれば、カウンセリングと組み合わせてカウンセラーとクライアントという一対一の関係において用いられることもありますし、読書会による集団療法で用いられることもあります。

  読書療法の用途も幅広く、ダイエットに減量マニュアルを活用するような日常的なものから、非行少年の更生のために自己洞察の手段として用いられるというものまであります。また、老人ホームで認知症があるお年寄りに昔読んだことのある詩を読み聞かせることで記憶を刺激するということもあります。

  特に60年代、70年代には多数のセルフヘルプブックが出版され、このような形での読書療法の活用は現在ではアメリカ人の生活に浸透しているといえるでしょう。アメリカでは、うつ状態の人たちに治療者が治療の間に宿題として本を読むことを薦めるという形で読書療法を課すことも増えています。また、イギリスの一部の州では、精神科を患者が受診したときに薬を処方するだけでなく、その患者の地元の図書館に精神科医が連絡し、図書館員が患者の症状やこれまでの読書歴を聞いたうえで本を処方する取り組みもあります。

  このように読書療法の研究、活用が欧米では進んでいますが、日本での認知度は依然として低いといえましょう。しかしながら、読書療法を活用できる余地は大きいですし、日本読書療法学会としても、社会での有効活用のために貢献を続けてまいります。